Clash Verge Rev は、デスクトップ向け Clash クライアントのなかでも更新が活発で、 Mihomo(旧 Clash Meta)コアをGUIから扱いやすくまとめたツールです。 本稿では、サブスクリプションの取り込みからTUN モードまでを、途中で迷子にならない順序でまとめます。 目安として、初めての方でも十五分前後で一通り触れる構成にしています。
0. 事前に押さえる二つのポイント
スムーズに進めるには、次の二点だけ先に理解しておくと安心です。
一つ目は システムプロキシが「HTTP 設定を読むアプリ」向けであること。
二つ目は TUN モードが「仮想 NIC 経由でより広くトラフィックを載せる」ための仕組みであることです。
ブラウザ中心ならプロキシだけでも足りる一方、git や npm、ゲーム起動器などは TUN のほうが効きやすい場面があります。
どちらもオンにできるアプリですが、まずはプロファイルを正しく取り込み、ノードを選んでから順に有効化するのが安全です。
1. ダウンロードとインストール(WebView2 の確認)
当サイトの
ダウンロードページ(Windows 向け)
から、.exe インストーラー(推奨)またはパッケージ形式を入手してください。
初回起動時に Microsoft Edge WebView2 ランタイムの案内が出る場合があります。Windows 11 では多くの環境で標準搭載ですが、
Windows 10 では不足時にインストーラーへ誘導されるので、そのまま完了させてください。
インストール後はデスクトップのショートカット、またはスタートメニューから起動します。
2. 画面の見かた(どこで何をするか)
左サイドバーは次のような役割分担になっていることが多いです(表記はアップデートで多少変わります)。
- ホーム:システムプロキシや全体のオンオフに近い操作が集まる場所
- プロキシ / Proxies:ノード一覧と選択。遅延テストやグループ切替もここ
- プロファイル / Profiles:サブスク URL やローカル
.yamlの管理・アクティブ化 - 設定:TUN、言語、起動時動作、細かなコアオプション
「サブスクを入れたのに繋がらない」ときは、アクティブなプロファイルが意図したものかを最初に確認してください。 一覧の別エントリが選ばれたままだと、古いルールセットのまま動いていることもあります。
3. サブスクリプションを取り込む(ワンストップ手順)
プロバイダーから共有された URL を、次の流れで取り込みます。
- 左メニューから プロファイル(Profiles) を開く
- 新規またはインポート用のボタンを押し、URL 入力欄に貼り付ける
- 確認 / インポートを実行し、ダウンロード完了まで待つ
- リストに追加された行の 使用 / Activate で、現在の構成として採用する
- プロキシ画面に戻り、用途に合うノード(または自動選択グループ)を選ぶ
.yaml ファイルだけ渡された場合は、ファイルから読み込むオプションを使います。
企業ネットワークではダウンロード URL がブロックされることもあるため、その場合は別回線で取得してファイル経由に切り替えると確実です。
取り込み直後にノードがすべて赤表示になるときは、プロファイル自体が空か、 取得 URL が期限切れの可能性が高いです。ブラウザで同じ URL を開き、YAML が返るかを見てください。 また、プロバイダー側のメンテで一時的に失敗することもあるため、数分後にプロファイル画面の更新ボタンから再取得します。
4. システムプロキシをオンにする
プロキシでノードを選んだら、ホームに戻り システムプロキシ(System Proxy) を有効にします。 これで Windows のシステム HTTP 設定が Clash Verge Rev に向き、Edge や Chrome、多くのストアアプリがルールに従って流れます。 既に別のプロキシツールを入れている場合は競合しやすいので、他ツールの「システムへ書き込み」系オプションはオフにしてください。
5. TUN モードを有効にする(Wintun と管理者)
TUN は Wintun などの仮想アダプターを立ち上げ、OS から見えるトラフィックを Clash のルールエンジンに載せます。 そのため UAC(ユーザーアカウント制御)の承認が出たり、初回のみドライバインストールが走ったりします。 手順のイメージは次のとおりです。
- 設定ページを開き、TUN モードのトグルをオン
- ドライバやヘルパーのインストールを求められたら許可する
- デバイスマネージャーに仮想アダプターが現れ、アプリのステータスが正常なら成功
- 切断が続く場合はアプリを終了し、ショートカットを右クリックして管理者として実行
環境によってはアダプター名が mihomo 系の表示になることがあります。
物理 NIC より優先されるルートが張られるため、ルールで DIRECT に落とした宛先以外はプロキシ側の挙動が強くなります。
テストが終わったら、不要なら TUN だけオフに戻すと挙動が素直になります。
ルールセットの質によっては、国内 CDN まで遠回りに見えることがあります。 その場合はプロバイダー推奨の「ルール系プリセット」へ更新するか、詳細設定で DNS / スタック周りを見直すのが一般的です。 いきなり手を入れず、まずは公式またはプロバイダーのデフォルト構成で通るかを確認するのがおすすめです。
6. 疎通確認(ブラウザと PowerShell)
ブラウザで ip.me などへアクセスし、想定した出口 IP になっているか見ます。 コマンドラインからは次のように HEAD リクエストだけ送る方法が手軽です。
curl.exe -I https://www.google.com
アプリ内の コネクション(Connections) ビューでは、どのプロセスがどのチェーンに乗っているかが追えます。 ここで期待したノードに載っていないドメインがあれば、ルールで DIRECT になっていないか、別プロファイルが有効になっていないかを疑ってください。
7. うまくいかないときの優先チェックリスト
サブスクは取れたがどのノードもタイムアウトする
URL の期限切れ、プロバイダー側障害、ローカルファイアウォールによるブロックを疑います。 別ブラウザで同一 URL を開けるか、スマホ回線に切り替えて再テストすると切り分けが早いです。
TUN をオンにすると全断になる
ドライバの残骸や権限不足が典型です。アンインストール用ツールで Wintun 関連を整理してから再インストールする、 あるいは管理者起動に切り替える、とセットで試してください。同時に別VPN系ソフトが TUN を占有していないかも確認します。
一部アプリだけ直結のまま
アプリ側がプロキシを無視しているか、プロファイル内ルールがそのドメインを DIRECT にしている可能性があります。 TUN がオンでステータスが緑でも、プロセス単位の除外設定が別の VPN/フィルタ製品側にあると抜けることがあります。
自動更新で手間を減らす
プロファイル行の編集から、自動更新の間隔(例:24 時間)を設定しておくと、定期的に URL 先のルールとノード一覧が取り直されます。 手動の再インポート頻度が下がり、運用が楽になります。
8. よくある質問(本文との対応)
TUN は常時オンがべきか。 セキュリティポリシーや社内 PC では制約があるため、必要な作業中だけ有効化する運用が無難です。 開発用途で端末全体をルールに載せたいときは TUN、ブラウザ中心ならシステムプロキシだけ、という住み分けが現場では多いです。
Clash for Windows からの移行は?
設定形式は親和性が高く、同じサブスク URL をプロファイルに入れ直すだけで多くの場合は再開できます。
古いローカル .yaml をそのまま読み込むことも可能ですが、Mihomo 拡張に依存した記述がある場合はプロバイダーの推奨構成へ寄せると安全です。