スマホに Clash for Android(および後継の Clash Meta for Android)を入れ終えたあと、 毎日触るのはだいたい次の三つです。サブスクリプション(プロファイル)の更新、 ノード(プロキシ)の切り替え、遅延の測定。 本記事はインストール手順ではなく、すでに初回設定が終わっている方向けに、 画面のどこを押せばよいかを日常運用の順序でまとめます。 Windows 向けの Clash Verge Rev 設定記事とは別軸で、Android 端末だけで完結する内容です。
0. 操作前に確認すること
次の三点が満たされていると、以降の手順がスムーズです。 一つ目は、プロバイダーから共有されたサブスク URL または QRがすでに取り込まれていること。 二つ目は、Android のVPN 接続の許可(初回起動時のシステムダイアログ)を済ませていること。 三つ目は、ホーム画面でトンネル/VPN が停止中でもプロファイル更新はできるが、 遅延テストの結果解釈は「VPN オン/オフ」で変わる場合がある、という理解です。 ここまで問題なければ、まずプロファイルが最新かどうかから見ていきましょう。
1. 画面構成を押さえる(どこで何をするか)
下部またはサイドのタブは、バージョンで多少異なりますが、おおむね次の分担です。
- ホーム / 概要:トンネル(VPN)の開始・停止、現在のモード表示
- プロキシ / Proxies:ノード一覧、グループ切替、遅延テスト(URL Test)
- プロファイル / Profiles:サブスク URL の管理、手動・自動更新
- 設定:言語、DNS、バックグラウンド動作、詳細オプション
「サブスクを更新したのにノードが増えない」「選んだノードが効いていない」ときは、 別のプロファイルがアクティブのままになっていないかを最初に疑ってください。 プロファイル画面で、現在使用中の行にチェックやハイライトが付いているか確認します。
2. サブスクリプションを更新する
プロバイダーがノードを入れ替えたり、ルールセットを差し替えたりすると、 手元のアプリ内一覧は古いままになります。プロファイルの更新で、 URL 先の最新 YAML を再取得し、プロキシ一覧とルールを同期させます。
2.1 手動で今すぐ更新する
- プロファイルタブを開く
- 利用中のサブスク行を特定する(名前はプロバイダーが付けたラベルのことが多い)
- 行の右側にある更新 / 同期アイコンをタップする(↻ に近い表示)
- 完了通知または最終更新時刻が変わるまで待つ
- プロキシタブへ移動し、ノード数や名前が変わったか確認する
一覧を下に引っ張って更新できるビルドもあります。 企業 Wi-Fi やキャリアフィルタで URL がブロックされていると失敗するため、 その場合はモバイルデータに切り替えるか、ブラウザで同じ URL を開いて YAML が返るかを先に確認してください。
2.2 自動更新の間隔を設定する
毎日手動で押すのが面倒な場合は、プロファイルの編集画面から自動更新を有効にします。 間隔の目安は次のとおりです。
- 12 時間:ノード入れ替えが頻繁なプロバイダー向け
- 24 時間:一般的な運用。バッテリーと通信量のバランスが取りやすい
- 手動のみ:テザリングや流量制限が厳しいとき
自動更新はバックグラウンドで走るため、省電力設定でアプリが「スリープ殺し」されていないかも併せて確認します。 設定アプリの「バッテリー最適化」から Clash 系アプリを除外すると、更新失敗が減ることがあります。
3. ノードを切り替える(プロキシグループ)
Clash 系クライアントでは、ノードは単独リストではなくプロキシグループにまとめられていることがほとんどです。 例として「自動選択」「香港」「日本」「Netflix」などのグループ名が YAML 側で定義されています。 日常の切り替えは、プロキシ画面でグループを開き、使いたいノードをタップするだけです。
3.1 手動で固定する
- プロキシタブを開く
- 用途に合うグループ(例:
Proxyや节点选择)を展開する - 一覧から希望のノード名をタップし、選択状態(ラジオやチェック)になることを確認する
- ホームでトンネルがオンなら、ブラウザ等で疎通を確認する
ルールによっては、特定ドメインだけ別グループを参照します。 「メイングループは変えたのに、あるアプリだけ遅い」場合は、 プロバイダーが用意した用途別グループ(ストリーミング用など)を切り替えてください。
3.2 自動選択グループを使う
URL-Test や Fallback タイプのグループは、
遅延や到達性に応じてアプリ側がノードを選びます。
通勤中など接続先が変わる環境では楽ですが、
途中でノードが入れ替わると IP が変わり、ログインセッションが切れるサービスでは不向きなこともあります。
安定させたいときは、遅延テストのあと手動固定に切り替えるのが確実です。
4. 遅延を測定する(URL テスト)
日本語の検索では「遅延測速」「ピング」と呼ばれる操作が、 Clash for Android では多くの場合 URL Test / 延迟测速 ボタンに相当します。 ICMP ピングではなく、実際のプロキシ経由で小さな HTTP リクエストを送り、応答時間(ミリ秒)を表示します。 数値はあくまで目安で、実際の動画やゲームの体感とは差が出ます。
4.1 測定の手順
- プロキシタブを開く
- 画面上部またはグループ横の稲妻・測定アイコン(URL Test)をタップする
- 各ノードの右側に ms 表示が付くまで待つ(失敗はタイムアウトや × 表示)
- 同じグループ内で数値が小さいノードを候補にし、タップして選択する
測定はプロバイダー設定の url-test 用 URL に依存します。
携帯キャリアによってはその URL だけ遅延が異常に大きくなることがあるため、
すべてのノードが同程度に悪いときは、回線を変えて再テストしてください。
また、VPN をオンにした状態とオフにした状態で結果が変わるため、
普段使う条件(多くはトンネルオン)で測ると実利用に近くなります。
4.2 数値の読み方(目安)
- 〜100 ms:国内向け用途では快適なことが多い
- 100〜300 ms:ブラウジングやメッセージアプリは多くの場合問題になりにくい
- 300 ms 超・タイムアウト:混雑、ノード障害、ルール不一致を疑う
遅延が良くても帯域が細いノードでは、動画の読み込みだけ遅い、ということもあります。 気になるサービスで実際に再生やログインを試し、ダメなら別ノードへ切り替えるのが最終確認です。
5. トンネルを起動して動作確認する
ノードを選んだら、ホームに戻りトンネル(VPN)をオンにします。 通知領域に鍵アイコンが出れば、システム的には VPN が有効です。 ブラウザで ip.me などを開き、表示 IP が想定の地域に変わっているか確認してください。
一部アプリは VPN を経由しない設定(分割トンネル)になっている場合があります。 Clash 側の設定で「バイパス」やアプリ除外が有効になっていないかも見てください。 更新直後は、一度トンネルをオフ→オンし直すとルールが確実に読み込まれることがあります。
6. うまくいかないときの切り分け
更新は成功したがノードが増えない
プロバイダー側でプラン変更やリセットがあった可能性があります。 管理画面のノード数と、アプリ内のプロキシ件数を比較してください。 古いプロファイルが複数残っている場合は、不要な行を削除し、正しい URL だけを残すと混乱が減ります。
遅延だけ異常に悪い
テスト URL の到達性、DNS 設定、混雑時間帯を疑います。 設定の DNS モードをプロバイダー推奨に戻し、別グループのノードで再測定します。 公共 Wi-Fi では UDP や特定ポートが制限され、プロキシ自体が不安定になることもあります。
ノードを変えても IP が変わらない
別プロファイルがアクティブ、またはルールで DIRECT になっているドメインを見ている可能性があります。
プロキシ画面で選択中のノード名がホームに表示されているか、
ログ(提供されているビルド)で実際のチェーンを確認してください。
7. よくある質問
サブスクは毎日更新すべき? 必須ではありません。接続トラブルやプロバイダーのお知らせがあったときに手動更新し、 平時は 24 時間間隔の自動更新で十分なことが多いです。
バッテリー消費を抑えたい。 不要なときはトンネルをオフにし、自動更新間隔を長くします。 常時 VPN より、必要なアプリだけ使う時間帯にオンにする運用も現実的です。
Windows の Clash Verge Rev と設定は共有できる? 同じサブスク URL を使えば、ノード名やグループ構成は揃います。 ただし TUN やシステムプロキシの概念は Windows 固有なので、Android では本記事の「プロファイル/プロキシ/トンネル」の対応関係で理解してください。